緑のヤツ
e0087225_23174130.jpg

 子供の頃嫌いになって、それ以来見向きもせずひたすら避けて通ってきた食材は誰にも一つはあるはず。私の場合はグリーンピース。シュウマイのてっぺんに仰々しく座り込む緑の小粒を蹴散らし、グリーンピースご飯の日にはハンガーストライキを起こした。いつしか食卓に姿を現す事がなくなり、私の人生からグリーンピースは姿を消した、・・・はずだった。
 そして謎めいた予感に襲われたその日。海辺の洒落たレストランで挽肉とクリームのパスタに乗る数個の緑の小粒。それらは濃厚で塩辛いパスタに丁度良く刺激を与える甘みを含んで私を驚かせた。新鮮なグリーンピースは使い方によってこうも味が違うのかと驚愕の瞬間だった。
 まさか、もしかして・・・。
 その予感は数年後、カミさんの一言でついに実現してしまった。あんなにも毛嫌いしていたグリーンピース。白いご飯にあまりにも不条理な緑のドッツ。決して許すまじき白米への冒涜であるグリーンピースご飯はなんの躊躇もなく私の口に運ばれていく。昆布で出汁を取りほんのり色付いたご飯とグリーンピースは春の香りをも連想させ、大人になった物だなぁとしみじみとした感慨さえわき出す。
 食わず嫌いならではの喜びという物であろうか。
[PR]
by marshM | 2006-04-19 23:38 |
<< 残り香 四月蠅 >>