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冬らしく
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 12月も後数日ともなると、中央通の銀杏並木はすっかり寂しげに丸裸となる。それでもしぶとく葉が残った樹からは、風が吹くたびにはらはらとボタン雪が降る様に葉が落ちる。
 お昼時、秋葉原の街はサラリーマンと休みに入った学生たちとであふれかえる。朝から降り続けた銀杏の葉は人々の靴に幾度も踏まれ、乾き砕けて歩道の端に黄色い粉雪の様に山積みになる。それほど風が強いわけではないから歩道の段差に阻まれて留まっているが、これが強い北風にあおられるといったいどうなってしまうのだろうか。
 灰色の街を舞う黄色い粉雪を想像して悦に入るが、水分でできた雪とは違って喉のいがらっぽさが増したような気がして、信号の変わり目と共に足を速めた。
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by marshM | 2011-12-28 23:59 |
クリスピーロード
e0087225_0271373.jpg 二三日寒気が緩んで比較的暖かな日が続いたせいか、金曜日は冷たい風に吹かれてほぼ全てが黄色く染まった中央通の銀杏並木の下は、朝綺麗に掃除されていたにもかかわらず夕方には枯葉が山と積もっていた。相変わらず銀杏の落ち葉は踏むとフカフカとクッションのような踏み心地で頼りない。
 所用があって日が暮れてから神宮外苑方面に出かけてきた。神宮近辺は銀杏並木で有名だが、少し外れたキラー通りにはプラタナスに似た葉がカラカラと風に吹かれている。歩道の端に吹き溜まりができていたので、わざとその上を歩くようにルートを取ると、案の定バリバリと小気味よい音がして面白い。
 先を急ぐ早足の大人が一人夜の街を歩くが、その内側には水溜りを跳ね歩く子供がいるような気がして、我ながら可笑しくなる。
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by marshM | 2011-12-17 23:59 |
イチョウの絨毯
e0087225_22121781.jpg プラタナスやクヌギ椎の木は降り積もった落ち葉の上を歩くとパリパリと鳴った記憶がある。特にプラタナスは大振りな葉が歩道に何重にも落ちると小気味良い音がして楽しくなる。
 中央通は4割方銀杏の葉が色づいて、一番日当たりが良い木の下には鮮やかな黄色い葉が降り積もっている。朝は綺麗に掃除されているが、夕方の帰り道には北風に吹かれて黄色い島ができている。その落ち葉の上を踏み進んでみたが、銀杏の落ち葉は薄く儚く無言でただたたずんでいた。
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by marshM | 2011-12-05 22:23 |
ネタの熟成
e0087225_055582.jpg 朝、地下鉄の駅を出て事務所までの間、色々な事を考える。朝起きてからしばらく経ってちょうど頭が回り始めるからだろうか、いいアイディアがポロポロと浮かんでくる。
 その時はいいアイディアだと思うのだが、時間が経つと忘れてしまったり、よく考えてみれば穴がたくさんあったり。思いついたそれが必ずしも最後まで残るとは限らない。
 今日も確かに面白いネタを思いついていたのだが、思い返してみるとなんだかぜんぜん面白くない。もうちょっと発酵して味が出るまで寝かせておくことにしよう。
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by marshM | 2011-12-02 00:24 |
東京の灯
e0087225_052275.jpg 日本全国で原発が止まり、春から夏は節電尽くしだった。震災直後は東京のネオンサインが消え、ライトアップや駐車場の照明までが暗くなった。夜の早い時間からゴーストタウンのような暗さになったにもかかわらず、夜空に星がほとんど見えなかったのが印象的。日本はどれだけ夜を明るく照らしているんだろう。
 11月に入ってからやっとあちこちライトアップが復活してきた。商業ビルのネオンサイン時計や橋のライトアップが戻ってくると、やっぱり東京だとちょっとほっとする。
 それでも、いまだに光が戻らないのはある一軒の老舗の料亭。以前は川沿いに大きく店名を浮かび上がらせていたのだが、今も暗く沈んだまま。被災地のため、緊急施設の電力確保のためとみんなで節電に精を出してきたが、その実電気料金の節約になったとほくそ笑んだ人は少なくないはずだ。
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by marshM | 2011-11-28 23:59 |
時間旅行
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 タイムマシンは理論上の産物で、もちろん実用化されてはいない。しかし、SF小説の中で詭弁として語るならば、よくある話が未来に移動することはすぐにでも誰にでも可能だ。一日24時間のスピードでわれわれはタイムトリップしているのだから。
 ある程度未来の自分の姿を想像することができれば、それは未来にタイムトリップしたと言えなくもない。無数にある可能性の世界線を仮定するのだから、それはその実正しい予測でなくてもかまわない。その創造した未来を避けるために、はたまたその通りに実現するために今この瞬間の選択をする。タイムパラドックスの無い健全なタイプトリップができるというわけだ。
 何を惚けたことをとお思いだろうが、夢をかなえるだとか病気に備えるだとか、自分の将来を見てきた事のように信じて今を生きているのだから、いながらにしてタイムトリップしていると言って悪いことは無かろう。正確に言うなら可能性のタイムリープだ。
 さて、ここに来て私は大きな世界線の分岐にたどり着いている。Aを取るかBを取るか、はたまたCを取るかのちょっとした違いで私の未来は大きく変わる。そう、私は未来の自分を見てきたのだ。タイムリープして帰ってきたのだ。正しい未来にたどり着くために、間違った選択をしないために、慎重に行動を選ばなくてはならない。
 
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by marshM | 2011-11-14 23:50 |
仕事そっちのけ
e0087225_21352464.jpg 今私が毎日通っている事務所は外神田にある。外神田と言ってピンと来る人はそれほど多くはないだろう。JRの最寄り駅で言えば御徒町と秋葉原のちょうど中間になる。
 最初、事務所を立ち上げた当初は横浜から通っていたので秋葉原駅を利用していた。それが今では東京に居を移したので御徒町周辺を経由するようになった。隣り合った街、御徒町と秋葉原。名前だけでもイメージの違う二つの街だが、実際毎日歩いてみると隣り合っていながらこれほどまでかけ離れている街も他に無いと改めて思う。
 秋葉原は電気街をベースに若者の萌え文化が花開いた街。何しろパワーにあふれている。観光名所でもあり、海外からの旅行者と毎日どこかですれ違う。よくよく目を凝らしてみると芸術の町でもある。
 一方御徒町は庶民の街だ。いまだ戦後の面影を残すアメ横に始まり、上野にいたるまでの雑多な商店と商業ビル。歩く人も年配の女性が多い。
 秋葉原を陽とすると御徒町は陰。しかし、輝く陽光の影で御徒町には古くからある飲み屋や定食屋が強い味方としてサラリーマンを支えてくれている。そしてその二つの街のイイトコ取りをできるのが我が事務所のある外神田なのだ。
 飲み屋のワンコインランチで昼を食べ、電気街のジャンクパーツで掘り出し物を見つけ、老舗の焼き鳥で一杯呑み、マニアックな品揃えの本屋を楽しむ。これほど楽しい町は、なかなか無いのではなかろうか。
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by marshM | 2011-11-06 22:25 |
ヤスミンの成長
e0087225_0151530.jpg 冬に半分枯れかけたアラビアジャスミンの鉢、春になって新芽が伸び梅雨時に花も咲いて一安心と思っていたら、梅雨が明けてからも花を咲かせた。夏の間にもう何度か花を付けるのだろうか。同じジャスミンでも一度きりで花を終えてしまう種類もあるのだが、この種はどうなのだろう。
 しかし心配なのはそんな事ではない。花は付けるのだが新しい枝があまり伸びてこない。葉の数が春に伸びてからそれほど増えていないのだ。冬に枯れかけたせいなのか、肥料不足なのか、一度詳しく調べてみなくてはなるまい。
 それにしても何かと手のかかる木だ。手のかかる木は地植にしてやると今までの経験でびっくりするくらい元気に育つのだが、冬の低温が苦手ではそうはいかない。つくづく手のかかる木である。



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by marshM | 2010-07-30 23:59 |
夏の旨味
e0087225_083423.jpg ラーメン屋に入って思いのほかそこの味が気に入ると、途中から食べるペースが極端に落ちる。麺がのびてしまうなんて事は頭になく、いやそののび加減が変化していくところさえも楽しんで、その楽しみが出来うる限り長く続く事を祈る様に箸の動きがゆっくりになるのだ。
 四季の中で私は夏が一番好きだ。かといって冬や秋や春が好きではないとは思わない。凛とした冬の朝の空気や、もやに煙る秋の夕日や、うららかに花が咲き始める春の昼の日差しは大好きだ。ただ一点、秋から春にかけては「早く夏が来ればいいのに」と思うのに、夏の間は「冬の涼しさが懐かしい」と思わないという事をのぞいては。
 梅雨が終わるととたんにどこかで心がそわそわする。それはあのラーメンののびていく麺さえも楽しんでしまう部分が、夏の旨味を盛んに手探りしているのではないか、と思うのだ。



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by marshM | 2010-07-20 23:59 |
夏の別れ
e0087225_039123.jpg その日は朝から抜ける様な青空が広がる夏日。小高い丘に広がる緑は濃く、焼けたステアリングを握る手に今まで過ごした夏を、その車で遠出した数々の場所を思い出すことは容易だった。
 屋根のない駐車場でしか保管が出来なく大分錆が浮いてしまった塗装に手が付けられず、度重なる不調と車検切れと駐車場代が高い都内への引っ越し予定が重なって、とうとう売る事になった。元々はカミさんが一目で気に入ってあっという間にローンを支払い終えた彼女の車なのだが、運転する機会はなぜか私の方が多く、その独特の容貌と相まって二人共大のお気に入りの車だった。
 そして短い夏のドライブが終わり、ぽっかりと空いたのは駐車スペースだけではなかった。気晴らしにチョイノリで近所までアイスを食べに出かけてみたが、見上げた夏空の様に気持ちは晴れてくれなかった。



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by marshM | 2010-07-18 23:59 |