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復活する記憶
e0087225_22422894.jpg とある縁で大阪にあるイタリア料理店で食事をする事になった。インターネットでその店を調べると、そこそこの値段でそれほどメニューは多くない。日本にあるそこそこのイタリア料理店ではがっかりさせられる事が多かったので、果たして今度はどんな店なのか、期待と不安が入り交じる。
 結論から言うととてもおいしい料理を出す店だった。イタリア人が「本国で食べるよりもおいしい」と言ったのもうなずけるほど。いったい何が違うのかわからないが、塩やオイル、食材の薫りから味まで、目を閉じるとイタリアの風景がスッと思い出される懐かしい味なのだ。
 日本料理は日本で食べるのが一番、イタリア料理はイタリアで食べるに限ると思っていたが、その南イタリアをイメージした店はオーナーからして陽気なナポリ人、日本にいながらにしてイタリアを感じる事が出来たのは望外の出来事。聞くと食材はほとんどは本国から取り寄せているとか。高給イタリア料理店ならいかにもありそうな事だが、それにしてはその店は大変リーズナブル。
 イタリアでは復活祭が終わったばかり。遠く離れた日本でも美味いイタリア料理の記憶が復活した春の宵。
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by marshM | 2013-04-03 22:43 |
小さな画材屋
e0087225_17504768.jpg ここに越してきてからもう少しで1年が経とうとしている。必要な物はその都度電車に乗って大きな街まで買い出しに出ていたのだが、一番重要な画材は近所でも手に入るという事が最近わかった。家から歩いて数分の所に美大受験の看板を掲げた場所があるのは早くから知っていたのだが、そこが小さな画材屋だとは思いも寄らなかったのだ。
 入口から折れ曲がって奥に続く店内は、大きくもなく小さくもなく、必要最低限の物は取り敢えず揃うというような品揃え。その売り物と一緒に受験生たちのデッサンや平面構成が並べてある。2Hから6Bの鉛筆や木炭を買っていたあのころの記憶が瞬時に蘇ってきて面白い。記憶の中のあの店もこんな小さな所だった。
 店番はコテコテの関西弁のおばちゃん。話を聞いてみるとその予備校はほとんど関西の有名美術大学に進学するのだとか。東京の大学に行く子はほとんどいないらしい。なるほどなるほど、並べてある絵を眺めてうなずくのである。
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by marshM | 2013-03-25 17:51 |
駄菓子菓子
e0087225_22313977.jpg 夕方、ベランダに出て冷たい空気を吸い込むと、何だか懐かしい臭いがしたような気がした。その臭いの記憶が蘇らせる情景は小学生の頃良く通った駄菓子屋の店内。甘い砂糖菓子と埃と古びた建物の臭い。いったいベランダに流れてくる何の臭いに似ていたのか、近所の手入れの行き届かないペットの臭いだろうか。
 子供の頃、母親は私が駄菓子屋に足繁く通うのを面白く思っていなかったようだ。だいたい駄菓子という物は不衛生で、使っている材料も体に悪い物ばかりだというのだ。確かに子供たちの手は汚く店内も決して衛生的と言える物ではなかったが、それでも駄菓子が原因でお腹をこわした子はいなかったと思う。
 テレビコマーシャルや店頭には「除菌」「抗菌」の文字があふれている昨今。何をするにも良く洗ってから。確かに伝染性の細菌には手洗いは欠かせない対抗策なのだが、少しばかり煽りすぎの感もある。ちょっとぐらい不衛生に育った方が、強くたくましく育つような気もするのだが、うがった見方だろうか。
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by marshM | 2013-02-20 22:44 |
すきま風が吹くように
e0087225_18232965.jpg 最近の建物、特にマンションの類は密閉度が高い。だから換気扇をめいっぱい回すと玄関扉を開ける時に、SF映画の宇宙船のハッチを開けるような音がする。それは前回のデザイナーズマンションもちょっと築年数の経った今回のマンションも同じ事だ。
 ただ、今回のマンションは微妙に隙間があるらしい。窓上部につけられた換気用の仕切か、サッシ自体か、どこかに隙間があって甲高いピープーという音が鳴る。それどころか北風が強く吹き付ける日にもピープー鳴るから、なんだか見かけに反してオンボロな家のイメージが頭をよぎる。
 子供の頃はさして貧乏でもないのに家はピープー・ミシミシ音がしていた。一般的に今ほど密閉度の高い建築ではなかったから、気候に人間が合わせていた名残があった。だから壁紙をめくってみると結露跡に黒カビがみっしり、なんて事もない。生活環境が便利に向上するのは良いが、やっぱり何か不便さは付いてくるのは仕方がない事なのだろうか。
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by marshM | 2013-01-28 18:38 |
美味しい物を食べてる?
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 キウイの実を一口食べたら、味がしなかった。本来キウイは苦手なのでなるべく食べないようにしているのだが、その苦手な味がしないというのも不思議な物だ。甘くも酸っぱくもない、ただ水っぽい果物はそれだけで不味い。
 最近冬に出回る蜜柑は甘さの強い美味しい蜜柑が多い。いつどこで買ってもほとんどハズレがない。私の子供の頃は出始めの蜜柑と言えば酸っぱい物だったが、今では酸っぱさなど微塵もない。
 本当に美味しい物とは何なのだろう。ただ甘い、ただ辛い、ただ旨味が多い物が本当に美味しい物なのだろうか?
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by marshM | 2013-01-21 23:06 |
休眠
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 ミニバラの葉が落ちたのは秋の水切れのせいだと書いたが、考えてみればバラは真冬に葉を落とす事を思い出した。子供の頃、冬の庭で茎とトゲだけになった武器のようなバラを良く眺めていたものだ。
 気になってネットで調べてみると、休眠期なのだそうだ。水やりの仕方も心に留めてこれで万全。やはりミニバラはモノグサにも扱いの易しい植物だった。植物が休眠なら世話も休眠である。
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by marshM | 2013-01-10 20:06 |
雨の理想郷
e0087225_1915772.jpg そう言えば、今年の夏は何度も水田地帯を通り過ぎたが、アマガエルの姿を見なかった。地味な色のカエルは掃いて捨てるほどいたが、あの緑色の小さな姿を見かけなかった。
 今年の夏は時間を作ってアマガエルを探しに行こう。少し山に近い所まで遠征すれば、どこかにまだアマガエルの理想郷が残っているかもしれない。
 寒さに凍える日の少しばかりの現実逃避。
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by marshM | 2013-01-09 19:09 |
思えば遠くへ。
e0087225_19274989.jpg 天気の良い夕方、ベランダから遠くを見渡す。暮れなずむビルの合間に赤い点滅と近づく列車の音。かすかに響く踏切の警報がもの悲しい。
 鉄道模型に凝っていた幼い頃、電車の音が聞こえる場所に住みたいと思っていた。遠くに貨物列車の通る親戚の家で夜中に耳を澄ませたり、ベッドに横になってから鉄橋の下で録音した通過音を安いカセットテーププレーヤーで再生してみたり。小さく聞こえる車輪が鉄路を叩く音に郷愁や旅情と言ったものを想像していたのだろう。
 今住んでいる場所は今までになく線路が近い。寝室にまで聞こえてくるほどではないが、夕方少し静になった街に幼い頃の思いが幻のように通り過ぎる。
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by marshM | 2012-12-14 19:39 |
暖かな場所
e0087225_1956326.jpg 朝のうち晴れていたと思ったら、いつの間にかどんよりとした曇り空。北風が強く吹いているわけではないが暖房をつけないと部屋がすっかり冷え切ってしまう。
 関東にいようが関西にいようが、夏は暑いし冬は寒い。換気扇を使っていると玄関ドアがエアロックを開いた時の様に空気が抜ける音がするほど密閉度の高い部屋でも、東も西も関係なく部屋は寒くなる。
 特に冷え込んできた今日は、いつも膝の上に乗ってくるルーに加えて、アズキまですり寄ってきた。部屋の暖房を弱から強に切り替えた。
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by marshM | 2012-11-29 20:03 |
雑誌のおもしろさ
e0087225_22455975.jpg とある事情があって久しぶりにマンガ雑誌を買ってみた。青年誌、と言うのだろうか、中綴じのサラリーマンが電車の中で良く読むタイプのもの。お目当てはその中の一編だけだったのだが、他のページは全く面白くなくてビックリしてしまった。
 高校生の頃ぐらいまでは良くマンガを読んでいた。単行本で揃える事が多かったが、週刊誌や月刊誌も頻繁に買っていた。今でも年に何冊かは面白い物を見つけて単行本で買ってもいる。しかしながら、しばらく雑誌を読まないうちに浦島太郎のようになってしまったようだ。広い読者の嗜好をカバーするように編集するマンガ雑誌は、時代の流行に左右されやすいから致し方がない事だ。
 仕事柄ファッション雑誌も色々眺める機会が多いのだが、これもまた指向が変わってきたようだ。変わらず面白いのはフィガロとかELLEとか流行通信くらいのものか。自分の面白いと思うものと合っているのか、いつも目にしているから面白いと思わされているのか。微妙な所である。
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by marshM | 2012-11-08 23:02 |