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誰を呼ぶ声
e0087225_1838357.jpg 最初にその声を聞いたのは小雨降る夕方。出先から戻り階段を上ろうとするとどこからか子猫が母猫を呼ぶ声が聞こえた。横浜で地域猫の親子を餌付けした経験から、間違いなく母を呼ぶ声だと思った。その時は疲れてもいたので気に留めるだけでやり過ごした。
 その日の夜、寝付けず布団の中でインターネットを見ていると、やはり子猫が母猫を呼ぶ声。声の反響からしてどうやら一階駐車場のあたりではないかと思うのだが、わざわざ布団から抜け出して見に行くのは億劫でいつの間にか眠ってしまった。
 次の日、昼間にかすかな鳴き声。なんだか少し元気がない。雨も小降りになったので見に行ってみるが、人の気配を察知したのか鳴きやんでしまった。
 そしてその日の夕方。カミさんと出先から戻ると、確かに駐車場から鳴き声が聞こえている。こちらからも猫の鳴き声をまねして呼びかけると、ハッキリと答えが返ってきた。駐車場の放置された車のエンジンルームの中。鰹節を家から持ってきて誘うと、小さなキジトラ猫がひょこひょこ這い出してきた。
 3ヵ月にも満たないだろう、まだ乳離れをして間もない仔猫。この地域は生ゴミの管理がしっかりしているからおいそれと手に入る食べ物はない。その呼び声に答えてやらなかったらどうなっていただろうか。
 こうして私たちの元にやってきたキジトラのルー。現在は伝染病の発症を確認するために隔離中。元気でやんちゃな家族がまた増えてしまった。
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by marshM | 2012-07-06 18:55 |
予告編
e0087225_2220633.jpg 梅雨の晴れ間の夕暮れは、いつの間にか遅くなった日の入りの時間に驚かされる。7時をまわってもまだ空が明るく、西日がしっかりと影を長く落とす。暖色に照らされた山並みを見渡して、はじめて自分の住み始めた土地を美しいと思った。
 私が育った横浜の街は、起伏が多く坂は急だが、高台から眺める景色はだだっ広い関東平野。遠くに大山連峰が霞に青く、その上に富士山が顔を出す。所々にこんもりとした緑が点在するが、基本はコンクリートと屋根瓦に埋め尽くされている。
 あの夏の日、入道雲のシルエットが幻の山並みに見えたのは、きっとこんな景色を連想していたのだろう。遠く霞にぼけた山並みではなく、ハッキリと見渡せるこんもりとした広葉樹のテクスチャー。やがて来る夜が明ければまた梅雨前線が北上する。夏の予告編はなんだかとてつもなく面白そうに思えるのだ。
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by marshM | 2012-07-03 22:41 |