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ブレスレス
e0087225_3105347.jpg バスに乗らずに駅まで出ようとすると、谷間にある養鶏場の前を通る。その日の風向きによっては非常に臭い。坂道を通り抜ける間は息を止めるのだが、歩きの場合はどうしても口で息を吸い込まないと窒息してしまう。
 そう言えば小学生の頃、息を止めて駆け抜けた道には何があったのか。今となっては忘却の彼方だ。


↑プハッと押しといて。
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by marshM | 2009-09-28 23:59 |
子犬の様に
e0087225_32745.jpg 夕方、半月が南東の空にぽっかりと浮かんでいる。昨日か一昨日はまだ明るいうちに同じ位置にあったはずだ。とすると、月の出の時間は毎日少しずつ早くなっているのだろう(遅くなっているのだ!)。
 月は唯一地球の周りを回る衛星だから、夜空に散在する遠い銀河の恒星や太陽系の惑星とは動きの特徴が違うのも当然なのだが、同じ時間に見える位置が東に向かうというのは、何だかちょっと不思議に思える。と言うのも、星座は同じ時間に見える位置が西に動いていくからだ。
 一説には月は地球から分離して生まれたと言われる。生まれた子供が地球の自転よりちょっと遅れてグルグル回っていると考えると、何だか微笑ましく納得できる様な気がする。


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by marshM | 2009-09-27 23:59 |
傍聴
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 夏はもうどこか水平線の向こうに去ってしまったというのに、ベランダでパイプを一服しようなどと考えると陽の当たる昼間は暑くてかなわない。ただ座っているだけだというのに汗が流れる。お気に入りの小道が続く雑木林は彩度を失いつつも青々とした葉をつけ、畑の脇には色の濃い花が競う様に咲き誇っている。
 夏でもなく、秋でもない、季節の執行猶予が下された空の下、歩みの遅い判事を急かし飛び回るのは山から下りてきたトンボたちだ。時折思い出した様に上がる蝉の鳴き声は被告の嘆きか。


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by marshM | 2009-09-26 23:59 |
雨が降ったのはいつの事
e0087225_374875.jpg 年季が入ってひび割れてきたために二階のベランダ専用にしたサンダル、鼻緒の付け根に穴が開いているらしく、雨の日に吸い込んだ水が体重をかけるたびにジワジワとしみ出してくる。陽の当たるところに出して乾かしても、穴が小さくて水分が出きらないためにいつまで経っても水がしみ出す。どこか脳みその隅っこに上から土をかけて深く埋めた思い出したくない記憶が、気を抜いた拍子にぬるりと浮かび上がってくるのに似ている。


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by marshM | 2009-09-25 23:59 |
AIが夢見たもの
 僕が探偵になりたいと思っていたのは、きっとまだ世の中の色んな真実が見えなかった頃の事だろう。鋭い洞察力と僅かな手掛かりから真実を導き出す、その鮮やかな手際に羨望を覚えていたに違いない。
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 僕の言葉に「探偵なんてつまらない仕事だ」と答えたのはホンモノの探偵だった。浮気調査や素行調査、ホンモノの仕事は地道な作業の積み重ね。関わった人物を一堂に集めて「さて」と話を始める事もない。そんな事を求めて「探偵になりたい」などと言ったつもりはないのだが、人には其処の所が上手く伝わらなかった。
 少しは世の中の明暗や人間の裏表がわかるようになってきた僕が、今度は何になりたいと思ったかと言うと。やはり、探偵になりたいと思った。世界には沢山の欠片が落ちている。一つ一つはゴミのような欠片なのだけれど、そんなジグソーパズルの様な手掛かりを繋ぎ合わせて何かが出来上がるのなら、それもまた真実なのだと「さて」と言う言葉の後に説いてみたいと思うのだ。


↑さて・・・。
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by marshM | 2009-09-23 23:59 |
惑星探査機の独白
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 僕は今、暗い惑星の上に一人たたずんでいる。どうやってここに来たのか、どうしたら其処に帰る事が出来るのか、そもそも其処とは何処の事なのか。濃密なホットチョコレートの奥底に沈んだ一粒の砂糖を探すように記憶をかき回す。匙が回る度にチョコレートの真っ黒な表面が波打ち、其処に映る天の川の千の粒を歪める。


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by marshM | 2009-09-22 23:59 |
見える、見えない。
e0087225_141315.jpg 新しい眼鏡が出来上がった。矯正視度を落として仕事にも外出にも使えるようにと考えたので、当初は寝っ転がっても踏んづけても壊れにくい丈夫なシンプルなものと考えていたのだが、いつの間にかファッショナブルで作りの脆そうな形を選んでいた。かけた印象は気に入っているので良いのだが、布団でゴロゴロ本を読む時にちょっと頼りない。
 今まで矯正して1.5見えていたものが、1.2前後に落とした影響は思いの外大きかった。10m以上離れた位置の人や物が見えなくてストレスになるのだ。歩きながらでも立ち止まっても、今までどれほど意味もなく色んな物を見ていたかがよくわかる。待ち合わせや駅の表示に対しても非常に便利だったのでこれから不便になるなと思っていたのだが、案外慣れてくると見えてくるようだ。何しろ、目が疲れないというのが一番良い事なのだ。
 しかし、もうちょっと気をつかわなくて良い安い眼鏡をもう一つ買う必要があるだろうか。


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by marshM | 2009-09-20 23:59 |
小さな幸せ
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 Amazonはとんでもなく奥深いジャングルだ。名も知らぬ、いや、明確な名前を持った魅惑の花が誘い、緑の葉が吐き出すイオンが見るものを取り込む。
 南米の川の話ではない、ネット通販の話だ。面白いシリーズものの本を見つけた。評価を下すと関連した商品をオススメしてくれるので、そこに載る書評を頼りに選んで地元の本屋で一冊買ってみたら、これまた面白いシリーズものであった。続きを読みたい。今すぐ読みたい。しかし、今月は少し本を買いすぎてしまったので、来月と再来月の楽しみに回さなくてはならない。
 忙しい時の時間の節約にAmazonは便利だ。何か面白そうな本はないかと書店の棚の間を彷徨い歩かなくて済むのは助かる。Amazonで良さそうなものを選び、本屋に行く。そこに在庫がなければ家に帰って申し込めば、書店で取り寄せるよりも早く手元に届くのが嬉しい。
 時間のある時はじっくり新刊から掘り出し物まで隅から重箱の隅をつつくように眺めるのも面白いのだが、一つのジャンルにこだわった時にはこういった複合的な選書が非常に役に立つのだ。
 月が変わるのが待ち遠しくてブックオフをのぞきに行くのは内緒だが。


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by marshM | 2009-09-18 23:59 |
夢の後のように
e0087225_1464294.jpg 秋風が吹き虫が鳴き始めても日差しはまだジリジリと熱い。買い出しに出るために我が家の車に乗れば中は灼熱の世界だ。エアコンもクーラーもないからアイドリングでしばらく冷やす事も出来ない。窓を全開にして走り出すしかサウナのような気温から逃れる術はないのだ。
 走り出してしまえばこちらのもの。全開にした窓から肘を出し、カーブが来ると効率よく外気を取り入れられるから勢い良く角を曲がる。昼下がりの裏道は車も少ないから、熱でバックミラーが直しても直してもうなだれてしまっても全く気にしない。立体駐車場の空に飛び出すような坂道を駆け上ってやっとの事で風通しの良い日陰に避難できた。

 夏は終わってしまったのだけれど、あちこちにその残滓が残っている。


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by marshM | 2009-09-17 23:59 |
ヒマワリ
e0087225_1125131.jpg 小さなバスが走る通りにぽつんとあるコンビニの前、畑の一角にある野菜即売所の横に大きな壁を作っていたヒマワリがいつの間にか頭を垂れて茶色くすすけていた。一輪もらって来年植える事は出来ないかなどと考えてみるが、その植える場所がない。植える場所があったとしても、うちには反対意見を打ち立てる強硬派がいる。
 以前庭の広い一軒家を借りていた時は、夏にヒマワリを植えたのだが、ヒマワリは枯れた後の処分に困る。実は取っておいて再利用がきくが、枯れた茎や葉は引っこ抜いて細かくして燃えるゴミに処分しないと、いつまでも茶色いみすぼらしい姿をさらし続ける。大きくなる種だと庭を眺めた時の占める割合も大きい、と言う事は不快度も大きいのは私にも理解できる。
 気温の上昇と共に太く大きく成長し、太陽のような大輪の花を咲かせるヒマワリは夏の象徴だ。その夏の象徴が秋と共に盛大に枯れ行く姿は、ただでさえ肌寒さに寂しく感じる秋の空にワビサビを当てはめる以上の寂寥感がある。
 どこか、広い空の下で元気に空を見つめる姿こそ、夏の象徴のあるべき姿なのだ。狭い庭ではかわいそうというものか。


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by marshM | 2009-09-16 23:59 |