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迷宮のVenezia
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 水の都Venezia、東西の宗教戦争のせめぎ合いから孤高を保った都は、アドリア海に突き出した砂州の上に造られた。Venezia中心部はCanal Grande(大運河)に二分され、さらに入り組んだ水路がジグソーパズルのように細かく街を分けている。
e0087225_2273256.jpg 中心部には車道が無く、交通手段は徒歩かACTV(水上バス)しかない。それでも、少し離れた島に行く以外は全て橋が架かっているので、最初の2日間はACTVのチケットを買わずに歩き回った。しかしこれが何とも骨の折れる行程で、まるで迷宮を歩いているような感覚に陥るのだ。あちこちにサン・マルコ広場はこっちだリアルト橋はそっちだと看板が出ているのだが、何しろ日本人の感覚で従うと絶対そこにたどり着かない。矢印の意思表示が微妙にずれているとでも言おうか、まっすぐ先なのか先を左なのかそれとも後ろなのか、その決め手に欠けるのだ。Duomoの屋根を目印にすればどこからでも帰り着けるFirenzeが少し懐かしく思えた。
 3日目はMurano島に渡るために初めてACTVのチケットを翌日分も含めて24時間分買った。いざ乗ってみると、これも一筋縄ではいかない。軽く10以上ある路線がひしめき合っているので、どれに乗れば最終目的地につけるのかしっかり見定めなくてはならないのだ。ここでガイドブックが非常に役に立った、と言いたいところだが、Murano島に通じる路線が記述ミスで手前のSan Michele島までしか行かない事になっていて大いに焦った。現地でしっかりした路線図を手に入れるべきだったのだが、いったいどこで手にはいるのだろうか。
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 それでもやはり一番面白かったのは道に迷っている間に色んな景色を見て回った事だろう。細い細い裏道に入って行くと観光客の姿は消え、閑散とした石畳に時折住人の足音が響く。ふと建物を貫いたトンネルの向こうに目をやれば、Canal Grandeの水面がきらきらと輝いて、少し街にとけ込めたような錯覚を見せてくれるのだから。

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by marshM | 2009-04-30 23:59 |
昼と夜の境目
e0087225_244475.jpg Veneziaの夕方、お楽しみはBacaro。わかりやすく言えば立ち飲み屋だ。一杯2.5~3ユーロのグラスワインを頼んで、目の前にできあがる大皿からつまみを頼む。ふんだんにある海の幸を使ったつまみはどれも美味く、「とりあえずビール」の代わりにすっきりとしたプロセッコが昼間の喉の渇きを癒してくれる。
 夕方、時々夕食を作るカミさんを手伝うついでに台所で一杯飲み始める事がある。美味いワインが冷やしてあれば、簡単にできる一品料理をささっと作って端からつまんでいく。ちょうどそんな雰囲気でカウンターからあれこれ注文するのだ。
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 日本で立ち飲み屋と言えば労働者の心の憩いと言ったイメージが強い。最近でこそ丸ビルに大阪発の立ち飲み屋が出店してサラリーマン・OLの立ち寄るお洒落な場所になったが、大阪の本店は若い女性は近寄りがたい雰囲気なのだと聞く。以前京浜工業地帯近くの立ち飲み屋に入った時は、客はほとんど工員でタバコの吸い殻は床に捨て放題だった。
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 スペインのBARもそうだったが、VeneziaのBacaroは良い意味でとてもに大衆的な空間だ。開店時間になるとどこからともなく地元住民達がわらわらと集まり、いつもの頼み慣れた飲み物食べ物を抱えてお気に入りの場所に陣取る。
 そんな雰囲気をちょっとうらやましげに眺めながら、喉を潤し小腹の虫を養って、さあ夜のVeneziaへと繰り出す時間だ。
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by marshM | 2009-04-28 23:59 |
姿勢を正せ
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 Milanoのヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア、鉄とガラスでできた巨大なアーケードを歩いている時に横を歩くカミさんからクレームが付いた。
「このガッレリア広しと言えど猫背で下を向いて歩いているのはあなただけ」。
つまりみっともないからいい加減にしなさいと言うのだ。晴れてイタリアはMilanoの街を歩いているというのに、ホームシックで落ち込んでいたわけでも旅の終わりを惜しんでいたわけでもなく、ただ足下に注意を払って歩いていたのだが。
 ではいったい何に注意をしていたのか。
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 アンモナイトの化石である。
 始まりはVeneziaのホテルの階段からだった。日本でも古いデパートの階段や壁に使われている大理石に、時折アンモナイトやウミユリの化石を見る事ができる。Al Portico Guest House の階段はやはり大理石で、数個のアンモナイトを確認できた。San Marco 広場では人々が歩いてすり減った野ざらしの古い大理石にもアンモナイトが浮き上がっていた。そしてMilanoのガッレリア。ほぼ全面に赤茶色の大理石が張り巡らしてあり、所々にアンモナイトが入っているのだ。
 Veneziaの屋台でアンモナイトや三葉虫の化石を売り物にしていたが、これはどこからきたのかわからない。しかし、公共の施設や建築物に含まれる化石は出所がはっきりしている。なにしろイタリアの建物に埋まっていると言うところに価値があるのだ。もって帰る事はできないからせめて写真に納めてきた。一瞬どこかでハンマーを仕入れてきて夜中に繰り出すかなどと考えていた事は秘密にしておこう。


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by marshM | 2009-04-27 23:59 |
肝心なのはくつろぎ
e0087225_22242486.jpg Veneziaで荷物をほどいたホテルはどちらかというとB&Bに近い形態で4階建ての家だった。扉の呼び鈴を押しても誰も出てこないので、そこに下がっていたメモ書きを読んで向かいのリストランテに管理人を呼びに行った。ここまで陸上を延々重たい荷物を引きずってきただけに、トンネルのような暗がりの涼しさが心地よかった。
 ホテルを取り仕切っているのはStacyという名の気さくなアメリカ人女性、画家だそうだ。リストランテから駆けつけてくれたのはその旦那の方。向かいのリストランテでシェフとして働いている。彼の案内でチェックインを済ましたのだが、Veneziaのオススメ情報や地図、インターネット接続の方法は翌朝Stacyに聞き直す事になった。
 スーツケースを開けて一息つくと、そこは窓からは運河の支流が望める静かな部屋。喧噪のFirenzeの後だけに余計静かに感じる。
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 このホテル、星が少ないし観光名所から少し離れたところにあるので、最初はどうだろうと不安に思っていたのだが、予想を裏切って良いホテルであった。エレベーターこそ付いていないが木造の窓枠や手すりを見ながら古い大理石の階段を上り下りするのは気持ちが良い。朝は中庭に隣接したキッチンで用意されたコーヒーやパン、卵などを勝手に使って朝ご飯を作る。スイス、フランス、色んな国からやってきた客達と気軽に挨拶して一日が始まる。鍵はルームキーに建物の入り口の鍵がセットになって、外出する時も持ち歩く。フロント代わりの事務室に立ち寄るのは基本チェックインとチェックアウトの時だけ。中庭の他に最上階にもキッチンがあり、そこから屋上に出られて喫煙もできる。
 ベッドのシーツやタオルはエコ主義のStacyが極力替えないように決めたらしい。だから枕元にチップを置いておく必要もないし、乾燥しているからタオルもすぐ乾く。良くも悪くもほったらかしの宿なのだ。だからといって不潔な印象は微塵もない。毎日客室担当の従業員も通ってくる。これがどうも我々のツボにはまった。朗らかな性格のStacyの魅力だろうか、非常に魅力的な宿だった。
 英語もイタリア語もOKのAl Portico Guest House はヴァポレットの1番San marcuola から歩いてすぐ。駅からも歩けるが、旧型のスーツケースをお使いの方にはオススメしない。
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by marshM | 2009-04-26 23:00 |
Perché?(ペルケ?)
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 旅の途中で見慣れない物を見かける事がままある。それもイタリアの古い建築物が並ぶ地域と来れば装飾なのか実用なのかよくわからないようなたくさんの物に目がとまる。目がとまるたびに「なぜ?」と口に出してみるが、ガイドが同行しているわけでもなく、帰ってくる説明はない。なぜ?、Why?、イタリア語で言えばPerché?、「Perché Daiwahouchu?」がいつの間にか旅の合い言葉になった。

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 Firenzeの入り口ドアの下や門の下の両脇にはよくこんな置物が鎮座している。狛犬や沖縄のシーサーのような役割なのだろうか。
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 古い建物の壁面には決まって何かつなぎ止めるような金具と松明か旗竿を差し込むような金具が突き出していた。実に実用的な素っ気ない形の物もあれば芸術品のような装飾が施された物もある。

e0087225_3144042.jpg Sienaの街は装飾的な上に数が多い。灯りの下に馬をつないでおくのかと推測したが、真相はどうなのだろうか。


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by marshM | 2009-04-25 23:59 |
しっかり食べたい日
e0087225_112405.jpg イタリアのみならずヨーロッパでは、リストランテやトラットリアでの食事は客の回転数などと野暮な事は考えない様だ。ランチとディナーそれぞれの時間枠で一つのテーブルに招くのは客一組。だからディナーに予約なしでしっかりした食事のできる店を探そうとすると苦労するのだ。そして担当するカメリエレ(給仕)がテーブルごとに決まっていて、その彼ないし彼女の対応によって食事が不味くも美味くもなりうるのだと思うと、こちらも気を抜いてはいられない。
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 FirenzeはArno川の左岸、Via Stracciatella にあるトラットリアBordino はどちらかというと街の大衆食堂的なイメージ。ランチは定額のコースで、プリモとセコンドを何種類かの中から選ぶ事ができる。


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by marshM | 2009-04-24 23:59 |
Firenzeの気軽な食事
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 イタリアと言えば食である。このイメージは二十歳の頃から変わらない。色んな雑誌や本でイタリア料理に触れ、実際に国内の店で食べてきたが、やはり本場イタリアで食べるイタリア料理に勝る物はない。その全てが日本に伝わってくる事は決してないのだから。
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 Firenzeで晩飯に出かけた時間が遅くなり、難民のようにさまよった挙げ句たどり着いたのがVia dello Studio にある『i Mangiarino』。Firenzeでしっかりディナーを食べようと思うと予約なしではどこもすぐには受け付けてくれない。仕方なく歩き回ってカミさんが嗅ぎ分けた店だ。相変わらず美味い店に鼻が利く。
 ここは店頭でイタリアのスローフード、ハムやチーズを切り売りしている店だが、奥にはテーブルがあってパスタやドルチェも出してくれる。アンティパストにその店頭で売られている数々のハムやチーズを盛り合わせにしてもらうオススメ料理を頼んだら、これが最高に美味かった。写真ではチーズとパンに埋もれているが、中でもフィノキヨーナと言うサラミや、豚の鼻や耳と言った顔の部分を煮こごりにしたソプラサーダがとても美味く、Firenzeでしか食べられないのだそうだ。
 ソプラサーダと聞いてどこかで聞き覚えがあると思ったら、マヨルカ島で食べたソブラサーダを思い出した。検索してみると、ソブラサーダはイタリアが発祥だとか。マヨルカのソブラサーダはトマトと香辛料が利いた肉のソーセージだが、どこかで繋がりがあるのだろう。
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 そしてあちこちのブログで見かけて是非食べてみたかったランプレドット。トリッパに似た料理だが、胃だけを使っているとか。写真はダンテの家と同じブロックにある壁に埋まったようなパニーニの店。店の中でカウンターに腰掛けても良いし、窓から注文して外で食べても良い。トリッパというと臭いが苦手な人もいるのだが、柔らかく煮込まれた具と煮汁がパニーノに染みて、上からかけた香辛料がピリッと利いて非常に美味い。
 ランプレドットのパニーノはあちこちに屋台が出ているのだが、雰囲気的に良さそうなのでここの店にした。あちこち食べ比べてみれば良かったが、こちらの胃が保ちそうにないので断念した。
 他にも美味しい店はたくさんあったが、予約無し、気軽に食べられるこの二つの店はこのためだけにももう一度Firenzeを訪れても良いと思えるほど記憶に残った。


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by marshM | 2009-04-23 23:59 |
黒い物体
 Firenzeのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の薬局と言えば、その名を知る人は少なくないに違いない。近年日本の百貨店でもその製品を扱うようになった、古来からハーブを研究し薬や化粧品を作り続けてきた修道院だ。
 修道院に隣接した薬局は丸ごと観光名所になった古い作りで、そこを訪れる客はヨーロッパのみならず多種多様な人種が混じり、写真を撮り、製品を買っていく。高い窓から差し込む陽の光と薄暗い照明がただならぬ神聖な雰囲気を作り出している。
 そんな高貴なところに興味があるのはカミさんだけだと思っていたのだが、一番奥の部屋で目にとめた物は何とも私好みの面白い物だった。
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 ハーブを扱うのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、写真右の真っ黒なリコリスキャンディー。旅行中ついつい食べ過ぎた翌朝、これを舐めると何だかすっきりしたような気がするから面白い。中には苦手な人もいるようだが、私にとってはスペインからのお気に入り。写真左の真っ黒なグミはスーパーマーケットで見つけた物だが、同じ形・同じ色の物をスペインの市場で量り売り購入した。
 日本では黒いお菓子と言えば黒砂糖の黒飴や麩菓子に羊羹、他にはコーラグミぐらいだが、それでもここまで真っ黒ではない。ヨーロッパの人たちはリコリスと言えば真っ黒なものと定番なのだろう。今回は多少制限して食べたおかげで封を開けずに持ち帰る事ができた。いつ開けようか悩んでいるところだ。


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by marshM | 2009-04-21 23:59 |
心配
e0087225_1401755.jpg 旅行に出る前、ご近所猫のガコちゃんはお産のためにお腹がパンパンにふくれていた。どうするのだろう、旅行に行っているうちにどこかで生んでしまうのではないか、その間餌には不自由しないのだろうかと一抹の不安を抱えての旅立ちだった。
 帰ってきた日、何を聞きつけたのかひょっこり現れた彼女、まだお腹は大きいまま、餌を少し残して去った。とにもかくにも元気で良かったとカミさんと喜んだのだが、次の日現れた時にはお腹がすっきりしていた。どこかで生んだ事は確かなのだろうが、近所で子猫の鳴き声をさっぱり聞きつけない。子猫はすぐには鳴き出さない物なのだろうか。母猫は子猫を見せに来ると言うが、まだ当分先なのだろうか。
 噂では、本当の飼い主は以前産んだ子猫たちをまとめてゴミの日に出したらしい。未遂に終わったのだが、今回ガコちゃんのお腹がすっきりした日の早朝はちょうど燃えるゴミの日。まさか、そんな事はないよねと話しているのだが、いったいどうしているのだろうか。


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by marshM | 2009-04-20 23:59 |
イタリアの甘い誘惑
e0087225_19302041.jpg 以前スペインに行った時、セビリアの古くからある素朴な菓子を手に入れておもしろがった覚えがあったので、今回のイタリア旅行でもそんな物が無いかとTabbachiやPasticceriaがある度に足を止めてしげしげと覗いてみた。姪っ子に言わせれば私は食べ物の表記があれば必ず足を止めるらしいのだが、こういった高尚な理由があるのだよ。
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[左上]Firenzeのスーパーマーケットで見つけたAmaretti。空腹時にだいぶ助けられた。包装紙が伝統を感じさせて良いが中はビニールの二重構造。
[中上]Sienaのパニーニを売るハム屋で買ったPanpepato di Siena。具だくさんの餅菓子に似た感じ。良く似たものがスペインにもあった。
[右上]EuroStarでコーヒーと一緒にサービスしてくれたスナック。たまには塩辛い物も美味しい。
[左下]Baci(バッチ=キス)チョコ。ナッツ入りで日本にも出回っているが、イタリアに来るまでと食べないでいた。おみくじ付き。
[中下]Veneziaで普通のPasticceriaで買ったPasquaを祝う卵形チョコ。大きな物にはおまけが入っていたり贈る前にプレゼントを封じ込める事もできる。おまけ入りの一番小さな物を頼んだつもりが全部スカだった。
[右下]Pesaroのホテルで毎晩届けてくれるクッキーと、Pasquaなのでおまけ入りチョコ。ほぼチョコエッグ。入っていたのはプラスチックのホイッスル。

 こうやって並べてみると、案外国民性が表れていておもしろ・・・くもないか。他にも生菓子等美味しそうな物がたくさんあったが、日に日に増える体重に涙をのんであきらめた。FirenzeのBARで食べた米入りカスタードクリームのトルテは美味かったなぁ。
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by marshM | 2009-04-19 23:59 |