カテゴリ:景( 271 )
タイムリープの冬
e0087225_005359.jpg 春の嵐と寒波とが波のように打ち寄せた後の今朝は、抜けるような青空が広がり、地下鉄から出て見上げる目にはどこまでも透明な景色が続いていた。
 ここのところ個展の準備でプライベートを忙しくしていたせいか、それとも少しブログをサボっていたせいか、見渡す景色にいきなり違和感を覚えて困惑した。冬だから当たり前なのだが、中央通の銀杏並木がすっかり丸裸になっていた。黄色い絨毯を踏みしめたのはつい昨日のように思っていたのに、まるでタイムマシンに乗ってひととびに時間を飛び越したように、いきなり閑散とした枯れ木の列を認識してしまったのだ。
 小さくてもある日いきなり無くなったり現れたものは気がつくのに、いつも見ているはずの風景が徐々に移り変わる変化は変化として認識しづらい。認識しなければ存在しないシュレディンガーの猫のように幾日かの時間が存在を消してしまったとしても、それはそれでたまに会う幼子の成長が著しく感じるように、夏へ近づく時間の流れとして楽しく思うのだ。
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by marshM | 2012-02-09 23:59 |
折り返しを過ぎる
e0087225_0103425.jpg お昼時の限られた時間でランチに出かけると、妙なところで妙なことに気がつくこともある。いつも同じ場所を同じくらいの時間に歩くので、特に寒い冬は陽の当たり具合に敏感になるのだ。
 冬の太陽は角度が南へどんどん低くなり、冬至を境に復活する。南北に走る細い路地が同じ時間に日当たりが良くなっているとしたら、日の出が早まっていると言うことだから、それは夏に向かって太陽の軌跡が天頂方向に登っているということだろう。
 二月は寒気団の影響で一番寒い季節だ。太陽の高さは戻ってきたが、暖かくなるまではまだもう少し時間がかかる。
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by marshM | 2012-02-01 23:59 |
雪の降る
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 前回「積もるだろうか」なんて書いてしまったから、と言うわけではないのだろうが、昨夜の東京は久しぶりの積雪だった。明けた朝、歩道は完全に氷の塊に覆われて歩くのが大変だった。シャーベットとか凍りついた雪塊なんて生易しいものではなく、アイスリンクの上にロックアイスをばら撒いた状態だった。
 そんな東京ならではの雪も晴れ渡った空にはひとたまりもない。日が暮れる頃には九割方どこへともなく消えてしまった。それは花火がはじけるごとく、花が散るごとく。そんな風景を見ていると、雪の降る様までもが江戸の文化に影響を与えているのだ、と思わざるを得ない。
 耐え忍ぶ雪も趣があるが、東京の雪は融け消えてこそ。
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by marshM | 2012-01-24 23:59 |
積雪
e0087225_0443092.jpg 寒気団の南下と共に大型の低気圧が通り過ぎた週末の東京は、小雨に時折雪が混じる空模様だった。
 しんしんと雪が降り積もると交通や人通りが滞り、白く塗られた世界に動くものは自分の足と顔にぶつかる確かな氷の粒だけとなる。微かに聞こえてくる雪が降り積もる音と自分の息使いは、嫌が上にも世界から自分一人を切り離して包み込んでくるのだ。
 そして金曜日の外神田はフワフワと降りかかる羽毛の様な雪の中、人も車も絶えることなく、そしてその雪が降り積もることも無かった。数年に一度首都機能を麻痺させるほどの大雪が積もることもあるが、今期はまだこれからなのだろう。
 明日、月曜日も夜半には雪の予報が出ている。今年は東京にも雪が積もるだろうか。
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by marshM | 2012-01-23 01:10 |
環境
e0087225_0105759.jpg 私たちが住んでいる街は、高層化が進んで部屋数がたくさんあるためか、若い夫婦、それも子供のいる家族が多い。タワーマンションが一本建つと、いかにも子供らしい自転車や玩具を積んだ引越しトラックが続々やってくる。
 去年まで住んでいた横浜の街も、小さな子供のいる家庭には住みやすい街だと評判だった。近所に十分な保育施設と公園がたくさんあるために、関西方面からの赴任組みがこぞって移り住むらしい。そんな街に比べると、今住む東京の街は少しばかり子供たちがかわいそうな環境と言わざるを得ない。
 空気が汚い、遊び場所が少ない、緑も少ない。そんな子育てに最適とは言えない街でも、子供たちの笑顔と見守る親の顔は変わらない。
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by marshM | 2012-01-07 23:59 |
冬らしく
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 12月も後数日ともなると、中央通の銀杏並木はすっかり寂しげに丸裸となる。それでもしぶとく葉が残った樹からは、風が吹くたびにはらはらとボタン雪が降る様に葉が落ちる。
 お昼時、秋葉原の街はサラリーマンと休みに入った学生たちとであふれかえる。朝から降り続けた銀杏の葉は人々の靴に幾度も踏まれ、乾き砕けて歩道の端に黄色い粉雪の様に山積みになる。それほど風が強いわけではないから歩道の段差に阻まれて留まっているが、これが強い北風にあおられるといったいどうなってしまうのだろうか。
 灰色の街を舞う黄色い粉雪を想像して悦に入るが、水分でできた雪とは違って喉のいがらっぽさが増したような気がして、信号の変わり目と共に足を速めた。
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by marshM | 2011-12-28 23:59 |
焚き火
e0087225_027367.jpg いつもより布団から出るのがためらわれるほど気温が下がった朝。御徒町の黒門交差点には門松やしめ縄飾りを売る屋台が組み上げられていた。
 組み終わった屋台の端材を使ったのか、一斗缶に火を焚いて暖をとる姿が見られた。見渡す限りビルばかりの風景の中で焚かれる火は違和感を伴うが、すぐ隣の交番に立つ警官もそ知らぬ顔をしているところを見ると、ちゃんと許可を取っているのだろう。
 どこの街でも気がつくとそこにある風景だが、いつもと違う雰囲気に毎度戸惑いを覚える。もう年の瀬は迫っているのだとせかされているような、それでいてのんびりとした人情味あふれる不思議な風景。
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by marshM | 2011-12-26 23:59 |
クリスマス
e0087225_0503675.jpg 結婚してこの方、クリスマスを夫婦二人で過ごしたことが無い。お互い仕事が忙しい時期で離れ離れになってしまうため、予定をあわせてどこかに行くとか家でゆっくり過ごすということが無理なのだ。
 クリスマス連休となった今年も、例に漏れずカミさんは出張。離れてはいるがメッセンジャーですぐに話せるし、一日の終わりには電話で話すし、あまり離れていると言う気分は無い。
 元々クリスマスは家族で過ごすのが欧米の習慣。プレゼントを買い夜の街に繰り出しパーティーを開いて消費を促すのは日本企業が作った儲けるための幻想だ。そう思うとうちの夫婦はたとえ顔をそろえていないとしても、正統なるクリスマスを過ごしているといえなくもない。
 物質的な豊かさよりも心豊かに過ごせた今年のクリスマス。皆さんのところはいかがだっただろうか。
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by marshM | 2011-12-25 23:59 |
名刺
e0087225_21175059.jpg とある忘年会で多くの人にお会いした。異業種交流会のような雰囲気になって、当然名刺交換会が始まる。随分多くの名刺が集まった。皆がSNSに参加していると言うので翌日友達申請を送る。
 何枚もの名刺を前にしてふと思う。名刺には名前と会社しか書いてないが、SNSにはその人の人となりがはっきりと現れる。SNSで繋がってしまえばメールもチャットも電話さえもかけられるのだったら、名刺の立つ瀬がなくなってしまうではないか。
 私のような名前を覚えるのが苦手な者にとって名刺とそこに書き込む情報は重要なアイテムなのだが、そんな時代も終わりを告げようとしているのではないか、と言うのは言いすぎだろうか。言いすぎだとしても、その下地は十分整っているような気がする。
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by marshM | 2011-12-23 22:16 |
都会の空
e0087225_21195760.jpg 都会の空に星は無い。歌謡曲の歌詞にありがちな、誰でも知っている事実だ。でも、知っているのと実感するのは大違いなのだ。
 一晩中明かりの消えることの無い東京で遊んでいようが、家に帰る小道で空を見上げれば星が瞬いているのとは違って、その場所に住んでしまうと空はいつ見上げても明るいままだ。流星群が来たからといって暗がりに出ても群青色が広がるばかり。空に星が無いのなら夜空を見上げる必要など無くなってしまう。星を見上げる習慣を忘れてしまいそうだ。
 どんな嵐でも雲の上に出れば青い空がある。明るい夜空の上にも必ず宇宙が広がっていることを忘れてはいけない。流星群が来れば時には夜空を焦がす大火球が流れることもある、明るい惑星や衛星はネオンサインに負けない明るさを放ってもいる。空を見上げることを忘れてはいけない。
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by marshM | 2011-12-21 22:00 |