カテゴリ:景( 271 )
天気雪
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 大晦日は気持ち良い青空。おせち作りに精を出すカミさんを尻目に、手早く家事を終わらせた私は近所のファーストフードに繰り出して喫煙シートでのんびりパイプをくゆらした。
 大きな窓からほど近い山並みを眺めていると、軒のように山の頂から伸び出した黒雲から薄煙のようなカーテンが降りてきた。と思うまもなく辺りは一片の大きな雪の舞いに包まれた。
 関西でも関東でも寒ければ寒い、暑ければ暑い、大して気候など変わらないと思っていたが、やはり日本海側からの湿った寒気を遮る山脈がないこの辺りは、関東のカラッ風とはちょっと趣が違うようだ。
 だんだん吹雪のように吹き付けてくる雪の中、スクーターに乗って家路を急ぐ。青空も見えている雪模様はどんなに降り続けても積もる事はない。年の瀬を強く印象付ける一日が過ぎる。
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by marshM | 2012-12-31 19:27 |
思えば遠くへ。
e0087225_19274989.jpg 天気の良い夕方、ベランダから遠くを見渡す。暮れなずむビルの合間に赤い点滅と近づく列車の音。かすかに響く踏切の警報がもの悲しい。
 鉄道模型に凝っていた幼い頃、電車の音が聞こえる場所に住みたいと思っていた。遠くに貨物列車の通る親戚の家で夜中に耳を澄ませたり、ベッドに横になってから鉄橋の下で録音した通過音を安いカセットテーププレーヤーで再生してみたり。小さく聞こえる車輪が鉄路を叩く音に郷愁や旅情と言ったものを想像していたのだろう。
 今住んでいる場所は今までになく線路が近い。寝室にまで聞こえてくるほどではないが、夕方少し静になった街に幼い頃の思いが幻のように通り過ぎる。
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by marshM | 2012-12-14 19:39 |
冬の到来
e0087225_1840727.jpg 年賀状のイラストをやっとの事で仕上げた。レイアウトもすませて後は宛名印刷ソフトをインストールするだけ。だけと言っても一騒動ありそうな予感がするが、それはまた別の話。
 午後から買い出しに出かける。朝から、いや、前の晩からピープーと吹き付けていた北風に負けないように、しっかりと厚着をしてお気に入りのダウンジャケットを着込む。薄手のダウンジャケットはバイクで走ると風が縫い目から入ってくるのではないかと心配していたが、しっかりとした作りで快適に暖かく過ごせた。
 帰り道、山の稜線と雲の間にまぶしい太陽が顔を出す。見とれていると山肌が白く薄化粧をしている事に気がついた。きっと昨夜降った雪だろう。いつの間にか紅葉の季節から降雪の季節に移り変わっていたようだ。
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by marshM | 2012-12-10 18:57 |
暖かな場所
e0087225_1956326.jpg 朝のうち晴れていたと思ったら、いつの間にかどんよりとした曇り空。北風が強く吹いているわけではないが暖房をつけないと部屋がすっかり冷え切ってしまう。
 関東にいようが関西にいようが、夏は暑いし冬は寒い。換気扇を使っていると玄関ドアがエアロックを開いた時の様に空気が抜ける音がするほど密閉度の高い部屋でも、東も西も関係なく部屋は寒くなる。
 特に冷え込んできた今日は、いつも膝の上に乗ってくるルーに加えて、アズキまですり寄ってきた。部屋の暖房を弱から強に切り替えた。
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by marshM | 2012-11-29 20:03 |
気持ち良い色彩
 久しぶりにいつもとは違う道を走って街中を買い出しに出かけた。住宅がひしめく駅前のプラタナス並木はすっかり葉が黄色くなり、その先の公園も見違えるように赤い色彩にあふれていた。ここしばらく田園風景の中ばかりミニバイクを走らせていたので、その目に鮮やかな色彩がとても新鮮で心地よい。雨上がりのイオンも相まって気持ちの良い秋の日だった。
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by marshM | 2012-11-06 23:07 |
霞か雲か
e0087225_21355031.jpg 秋の夕暮れ、遠目に見る街並みの上空低い所にたなびいた煙が、霞のようにいつまでも留まっている風景。温度差のある空気の層が出来ているのだろう、季節特有の趣のある風景だ。
 小さな里山なら「趣のある」で済む事も、広く田園が続く場所では困った事になる場合がある。低い層で横に流れ出した稲刈り後の藁を燃やす煙が、数ヶ所で増強され、それが住宅街の上層階に丁度流れてくるのだ。夕方ベランダに出ると、毎日なんだか煙くてかなわないと言う事態に陥る。
 田園の中にたたずんで煙の臭いを感じるのと、ベランダで煙い思いをするのと、同じ煙が元だというのに全く違う受け取り方をするとは、文字通り煙に巻かれたような気分なのだ。
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by marshM | 2012-11-04 21:44 |
それぞれの秋
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 台風の接近に伴う秋雨前線の影響で、天気の悪い日が続いている。九州に修学旅行に行った姪っ子たちは難儀を強いられている事だろう。
 天気が崩れる前の日、日暮れ前に外出した。秋と言えば西方からスポットライトのように差し込む太陽が、少し煙った空気を黄金色に染め上げるものだと思っていたが、山の向こうに日が沈むこのあたりではそんな風景は見られない。思えば横浜のような丘陵地帯が多い地域や、平野の広がる地域特有の景色なのだろう。オレンジ色の空に影絵のように浮かぶ富士山がちょっと懐かしい。
 台風が過ぎて秋晴れが戻れば更に日は短くなっている。つるべ落としの夕がやってくる。
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by marshM | 2012-10-18 17:23 |
追憶の空
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 姪っ子が来週修学旅行に行くらしい。近頃の高校生はどんな面白い所に行くのかと聞いてみたら、九州。ずいぶん地味な修学旅行だと思ったが、費用や原発事故の影響の事などを考えれば当然の結果なのかもしれない。
 秋が深まってきてこの時期そう言えばスペインに旅行をしたなと考えていたら、向かいに座るカミさんが「この季節になるとイタリアの事を思い出す」と言いだした。二人とも全く違う国の風景を思い浮かべていたくせに、同時にヨーロッパを訪れた旅の記憶を掘り起こしていた事がなんだか可笑しい。
 姪っ子の修学旅行の話を聞いた後、自分の修学旅行がどうだったか思い出そうとしてみたが、喫茶店をはしごした事と当時凝っていた一眼レフカメラをいじっていた事しか思い出せなかった。
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by marshM | 2012-10-14 16:38 |
中途半端な街
e0087225_16161780.jpg 先日ちょっとした用事で横浜の実家に寄ってきた。横浜の街は巨大な京浜工業地帯に隣り合った一大ベッドタウンであるから、起伏の多い土地には急な斜面にもみっちりと住宅が並んでいる。深い谷間に入り込むと、まるで巨大なデザインマンションの中を歩いているような、不思議な感覚に陥る。
 そんな人の多い横浜の住宅街でも、まだまだ古くからの居住者は多く、区画は広めで庭木を多く植えた家がまだたくさんある。かくいう私の実家も椿に木蓮、梅にジンチョウゲと手入れの事も考えずに様々な庭木が植わっている。窓を開けて庭を眺めていると、暮れ色の空気にコオロギの声が幾重にも響きはじめた。
 今住んでいる関西の都市もかつて産業で栄えた都市、見渡す限りに住宅街が並んでいる。しかし、何か物足りなさを感じていた正体がやっとわかった気がする。街路樹と庭木が少ないのだ。枝が屋根のように張る小道の辻でコオロギの声に包まれるような感覚がないのだ。
 田舎のようで田舎で無し、都会のようで都会で無し。地方都市だの都会だの、案外どちらも中途半端なのだ。
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by marshM | 2012-10-08 16:38 |
夏のエネルギー
e0087225_19565177.jpg 夏が終わり秋が近づくと、一日の天気はめまぐるしく変わる。まだ日中は夏の熱量が残っているだけに、上昇したエネルギーは大きな雲を作り最後は雨と稲妻を生み出して大地に戻ってくる。
 空が広いと言うだけで何とはなしに一日の天気がどう変遷するか、朝の段階でわかってくる。気温、湿度、風向き、雲の割合。ビルに囲まれた小さな空を見ていてはできない事だ。
 太平洋高気圧が少しずつ後退して、秋の長雨が近づいてくる。今週の予報は雨、雨に冷やされて太陽のエネルギーが海へと流れていく。
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by marshM | 2012-09-06 20:03 |