『鴨川ホルモー』と『夜は短し歩けよ乙女』
e0087225_2214755.jpg ずいぶん昔の事、私が大学生だった頃に、クラブの行事を写した写真を仲間に見せると、「これ、いかにも男子学生の下宿って感じだよね」と、一枚の写真を指さす同期の女子に言われた。そこには、フィルムの余ったコマ埋めに私の作業テーブルに乗った安ウイスキーのボトルと課題が映っていた。生粋のお嬢様を初めて間近に見た私と同じように、男臭い雰囲気に彼女も初めて触れたのであろう。そう言えばカツ丼を食べる様を興味深げに見ていたのも彼女だった。
 万城目学の『鴨川ホルモー』は話題になったので題名だけは知っていたのだが、文庫になって裏表紙の解説に一目惚れして手に入れた。奇しくも少し前に読んだ森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』と同じく京都の鴨川界隈が舞台、主人公は大学生、この世とこの世ならざる魑魅魍魎(的なもの)が跋扈する青春ストーリー。どちらもライトノベル的でありながらひと味もふた味も違うのは、実際に魑魅魍魎が隣に佇んでいても不思議のない京都を熟知し語り尽くす技量があるからだろう。とにかく面白い。
 読後にまず頭に浮かんだのは、主人公は日本の最高学府に入ってまでなんでそんな事にうつつを抜かしているのか、であった。と、そこで自分を振り返ってみると、なんの事はない彼らと五十歩百歩の状態だった事を思い出す。入学してすぐにクラブに夢中になり、単位を落としまくった痛い覚えが蘇る。
 日本の大学は特殊な場所だ。学びたい者には幾らでも知識を授けるが、単位の付かない選択科目にこそ得る物が大きい。もちろんそこには現実の魑魅魍魎然とした人々も付随してくるのだが。
 そう言えばかのお嬢様は今頃どうしている事やら。


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by marshM | 2009-03-27 23:59
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