辻村深月著『凍りのくじら』を読んで驚いた。いや、驚いたのはこちらの勝手な都合で別のSF作家だと思いこんで手に取った故なのだが。女子高生の日常の中にある多彩な心情をつづったストーリーなのだが、藤子・F・不二雄氏の作品になぞらえて話が進んでいく。「ああ、苦手なタイプの小説だ」と読み始めたが、どんどん引き込まれていく自分にまた驚く。 他人の思いと自分の思いの温度差にとまどい、自分の居場所を見つけられない多感な時期。群れの中で孤絶していると思いこんだのは自分の殻がそうさせていたのだと気がつく成長過程。私が高校生の頃は、こんなにも人との繋がりを真摯に受け止めてはいなかった、もっともっと子供だったと思う。あの頃の私にこの本を読ませてみたらと思うが、たぶん、面白くないと投げ出してしまった事だろう。 間違えて手に取った作品だが、今の私には読み応えのある佳い作品だった。たぶん、もう何度か読み返す事になるだろう。 ![]() ↑ポチッとよろしく。
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