近頃『アルハンブラ物語』を読み返している。いや、一度も通読していないのだから「読み進めている」が正しい。アルハンブラにまつわる話がまとめてある本なので、短編集のように区切りが良い。区切りの良い本はなぜか読み終わるまでに膨大な日数を要するのだ。思い返せば数年前、スペインのAlhambra宮殿を訪れる際に、飛行機やバスの中で読もうと購入したのだが、だいたい乗り物に乗って窓の外に気を取られている時間が一番長いのだから、本もなかなか読み進まないのは無理もない話なのだ。 さて、当のAlhambra宮殿はたかをくくってギリギリまで予約しなかったせいで宮殿内部の見学はできなかった。城壁の内側にあるフリーゾーンから向かいのAlbayzinの丘と宮殿の外壁を眺めただけである。それでも遙々Grenadeまでやってきた感慨に浸る事はできた。 『アルハンブラ物語』を読み進めていくと、宮殿内の広間や中庭にまつわるたくさんの逸話が出てくる。そこで初めてGrenadeの成り立ちに触れると、この話を思い出しながら宮殿各所をまわったらどんなに楽しいだろうと思えてくるのだ。 もしかすると、Alhambra宮殿を泣く泣く放棄したスルタンの亡霊たちに「おまえにはまだここを訪れる資格がない」と突き放されたのかもしれない。一つ話を読み終えては彼の地にきっとまたたどり着きたいと想いがふくらむのだ。 ![]() ↑ポチッとよろしく。
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