ぼくと、ぼくらの夏
e0087225_19141212.jpg 『ぼくと、ぼくらの夏』は本屋でふと目に止まって手に入れた文庫本だが、図らずして面白く一気に読んでしまった。またしてもヒロインがツンデレキャラ。
 今でこそツンデレとは「萌え」の一要素であるのだが、この本の初出は1988年、20年も前の話である。いつの時代でも人前ではツンツンしていながら、二人きりになるとデレてしまう女の子は魅力的に映るのだが、私の場合は自分が猫好きというのもそう言ったヒロインを受け入れやすい理由なのかも知れない。
 明け方でも忙しい最中でも外に出たくなれば扉を開けろと主張し、むやみに膝の上で撫でられるのを嫌うが、餌が欲しい時になると甘えてすり寄ってくる。それだけなら打算的にも思えるが、不思議と飼い主の気分の浮き沈みを目ざとく感知してまるで慰めるように隣に佇む。そんなときに背中を撫でてやると、お尻を高く上げてハイヒールを象ったような姿勢になる所が、甘えても大人の女なのだというプライドを連想させておかしい。まさしく昔飼っていた雌猫がそう言った性格で、憎めない存在だった。
 「萌え」が重要なライトノベルの定石で言えば主人公はヘタレの朴念仁なのだが、今回の物語は高校生ながらハードボイルドを連想させるシニカルでカッコイイ少年。同系列では大沢在昌のアルバイト・アイシリーズが近い雰囲気。夏の太陽の下さらりと読むには気持ちのいい作品だった。


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ぼくと、ぼくらの夏 新装版 (文春文庫 ひ 7-5)
樋口 有介 / / 文藝春秋
ISBN : 4167531054
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by marshM | 2008-07-06 19:34 |
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