夕焼けを追いかけて
e0087225_23415127.jpg 半月間のスペイン旅行に旅だって早くも1年が経つ。その日の日本は熱くもなく寒くもなく、地中海気候はそれより少し温暖だったのを覚えている。丁度今年の日本の秋と同じ様な。
 ジローナに着いた日、宿泊先はカミさんの留学同級生の実家であった。これがとんでもなく古い名家の大邸宅で、石造りの建物の通りから中庭をはさんだ反対側の建物と通りまで、全てが所有地であった。納屋には初代の持ち物だった本や乳母車があって、パパが自慢げに見せてくれる。
 4階、一番上の高窓がある部屋がゲストルームで、部屋の前の階段を上ると高窓の外、屋上物乾し場に出る事ができる。仰ぎ見ると夜空は青黒いが、時折横切る大きな鳥が、中庭を明るく照らす外灯のせいで突然現れた亡霊か何かのように幻想的な光を放つ。あれはなんという鳥だったのだろうか、今でも二人で思い返しては話題に上るが、朧な姿は図鑑に照らし合わせようがないのだ。
 夕べから日中にかけて横浜は雨。西に現れた晴れ間から夕日が差し、刻々と移り変わる夕焼けを追いかけてカメラを持って走った帰り道、足早に色彩を失っていく空に浮かぶ鳥たちを見てとてつもなく望郷の念に駆られるのだった。


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by marshM | 2007-10-08 23:41 |
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