ボンベイ・サファイア
e0087225_11434146.jpg 癖のある酒が好きである。昔入り浸っていたBARでテキーラを好んで飲んでいたら、ボンベイ・サファイアとキャプテン・モーガンを教えてくれた。普段は取っつきづらいジンとラムなのだが、どちらも香草のフレーバー付けがしてありストレートでもおいしく飲む事が出来る。
 先日何気なく買ってあったボンベイ・サファイアとパイプ煙草とを合わせてみたらことのほかおいしい事に気付いてしまった。パイプ煙草の煙は肺に入れない。舌と喉と鼻で味わう。強い酒をすするようにちょろちょろと吸い込むと、舌にほのかな甘さが広がり、喉奥や鼻腔にお茶の葉を燻したような香りが漂う。その合間にボンベイ・サファイアをちびちび舐めると、甘さと香りが相互に高めあって得も言われぬ一時を作り出す。
 ならば他の酒ではどうなのか。とろりとした甘さは煙の微かな甘さを飲み込んでしまうので合わないのはシェリーのモスカテルでわかっている。ではパイプ煙草に香り付けとして使われる事もあるラムは、スコッチのシングルモルトやアイリッシュウイスキーはどうだ、と想像は広がっていく。
 洋酒もパイプ煙草も欧米で出来上がった嗜好品である。酒がある所にはパイプがあり、種類の数だけ歴史が語られる。そんな物を追求し出したら只でさえ寒い懐が素寒貧になってしまうだろう、と自戒しつつも鼻の奥にあの香りが甦って心が浮き足立つのである。
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by marshM | 2007-03-27 23:59 |
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