土産物の土産話
e0087225_1605417.jpg カミさんに言わせると土産物屋で買い物をする事ほどばからしい事はないそうだ。それもそうである。だいたい観光地の土産物屋で売っているものはどこでも使えそうな物にご当地名を入れ込んであるか、大きな街で探せばもっと安く手に入る物ばかりである。それは日本に限らずスペインでも同じ事であった。




 しかし、丹念に見ていくとちょっと他では買えそうもない面白い物が見つかる。バルセロナではグエル公園のシンボルになっているトカゲのミニチュア、グラナダでは鉄のランプシェード、マヨルカでは素朴な人形の笛。グラナダはアラブ色とアフリカ色が強く、アランブラ宮殿のミニチュアも作りがイマイチだったのでパスしたのだが、他はちょっと気をひかれるものがあった。
 気をひかれはしたのだが、観光地の土産物の常で「ここの作りが甘い」だの「ちょっと汚れている」だのと次の店へと移るうちに一回りしてチャンスを逃してしまうのである。グエル公園のトカゲは一番気に入ったものが樹脂製だったので次の機会に回すとして、マヨルカ島の人形の笛だけは手に入れたくなった。
 マヨルカ島からバルセロナに戻る時に空港で探してみると、1件だけその人形を置いてある店を見つけた。ところが、技巧というものを知らないかの様なフォルムが"へたうま"イラストレーションを連想させる雰囲気こそ一緒なのだが、島内で見かけたものと微妙にフォルムが違っている。だがここで買わないと今度いつ巡り会うかわからないと諭されて多少不満は残りつつも手に入れる事にした。

 バルセロナに戻ってカミさんの友人に見せると微妙な違いの謎が解けた。私が手に入れたものはロバにまたがっていて、島内で見かけたものは馬にまたがっていると言うのだ。なるほど、そう言われるとまさしくそんな雰囲気であり、現金な事に他では見かけなかったそれに愛着が湧いてくるのである。
 案の定、その後帰国までその素焼きの人形に出会う事はなかった。旅先で「面白い」と思ったものは是が非でも手に入れておく。今回の教訓である。
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by marshM | 2006-10-28 23:59 |
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