南へ
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 グラナダからマラガまで中距離バスで2時間弱の道のり、バスはかなりのスピードで荒野の中を疾走する。見渡す限りのオリーブ畑や小さな廃屋に見慣れてくると、することもないので日本から持参した「アルハンブラ物語」を読み進める。冒頭、17世紀のスペインの荒野を旅する情景が、今、目の前の景色とダブって思わぬ効果を醸し出す。盗賊が待ち伏せする渓谷は隊商を組んで一軍隊ほどの人数で移動したその道を、我々は十数人ほどの雑多な人種の鋼の幌馬車隊で移動しているのだ。
 うとうとしかけた頃に丘を一つ越えるといきなり海が現れる。コバルト色の地中海だ。
e0087225_17251474.jpg バスは街の西のはずれにあるターミナルに着く。我々が今日宿泊するのは東のはずれ、バスをもう2本乗り継いだ先の海水浴場。いわゆるコスタ・デル・ソルの民宿のようなホテルである。市内の地図しか持ち合わせていないので、彼女の語学力とGoogle Map のプリントアウトを頼りに宿を探す。
e0087225_17253695.jpg たどり着いたところはまさしく太陽の海岸であった。まだまだ日光浴をしたりのんびり散歩する客で賑わっている。そして、意外にも民宿だと思い込んでいた宿は、三ツ星の由緒正しいホテルであった。本館は海辺のカフェの奥にレセプションがあり、連泊を申し込んだ我々は少し離れたコンドミニアムに案内された。
 遅い昼食を本館に戻って注文すると、ヨーロッパのバカンスがいかに優雅なものかが連想できるようだ。まだ来たばかりなのにもう一度来たくなる所。通りの猫が優しい時間の流れを細い爪でつなぎとめている。
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by marshM | 2006-10-12 17:28 |
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