中途半端な街
e0087225_16161780.jpg 先日ちょっとした用事で横浜の実家に寄ってきた。横浜の街は巨大な京浜工業地帯に隣り合った一大ベッドタウンであるから、起伏の多い土地には急な斜面にもみっちりと住宅が並んでいる。深い谷間に入り込むと、まるで巨大なデザインマンションの中を歩いているような、不思議な感覚に陥る。
 そんな人の多い横浜の住宅街でも、まだまだ古くからの居住者は多く、区画は広めで庭木を多く植えた家がまだたくさんある。かくいう私の実家も椿に木蓮、梅にジンチョウゲと手入れの事も考えずに様々な庭木が植わっている。窓を開けて庭を眺めていると、暮れ色の空気にコオロギの声が幾重にも響きはじめた。
 今住んでいる関西の都市もかつて産業で栄えた都市、見渡す限りに住宅街が並んでいる。しかし、何か物足りなさを感じていた正体がやっとわかった気がする。街路樹と庭木が少ないのだ。枝が屋根のように張る小道の辻でコオロギの声に包まれるような感覚がないのだ。
 田舎のようで田舎で無し、都会のようで都会で無し。地方都市だの都会だの、案外どちらも中途半端なのだ。
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by marshM | 2012-10-08 16:38 |
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