予告編
e0087225_2220633.jpg 梅雨の晴れ間の夕暮れは、いつの間にか遅くなった日の入りの時間に驚かされる。7時をまわってもまだ空が明るく、西日がしっかりと影を長く落とす。暖色に照らされた山並みを見渡して、はじめて自分の住み始めた土地を美しいと思った。
 私が育った横浜の街は、起伏が多く坂は急だが、高台から眺める景色はだだっ広い関東平野。遠くに大山連峰が霞に青く、その上に富士山が顔を出す。所々にこんもりとした緑が点在するが、基本はコンクリートと屋根瓦に埋め尽くされている。
 あの夏の日、入道雲のシルエットが幻の山並みに見えたのは、きっとこんな景色を連想していたのだろう。遠く霞にぼけた山並みではなく、ハッキリと見渡せるこんもりとした広葉樹のテクスチャー。やがて来る夜が明ければまた梅雨前線が北上する。夏の予告編はなんだかとてつもなく面白そうに思えるのだ。
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by marshM | 2012-07-03 22:41 |
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