立ち位置
e0087225_0404451.jpg 寒の戻りと言っても少しずつ最低気温が上がってきて、冬の間寒さに鈍感になっていたのか、花粉症を押して鼻が利くようになってくる。通り過ぎる人の香水の香り、裏路地から漏れる夕餉の匂い、下水溝から立ち上る腐臭。
 帰り道、様々な匂いを無意識野に押しやって歩くと、ふと記憶に引っかかる強い香りに呼び止められた。文字通り足を止めて、それどころか数歩戻って辺りを見回すと、ビルの片隅にある小さな生垣に沈丁花の花が咲いていた。
 ひっそりと甘い香りを振りまく小さな沈丁花の花は、様々な春の記憶を一時に蘇えらせる。郷愁とはちょっと違う、強い想いが心に広がった。
 コンクリートに囲まれた沈丁花は、いったい何を想うのだろうか。
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by marshM | 2012-03-22 23:59 |
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