ミステリの楽しみ
e0087225_0243753.jpg ミステリ小説が好きだ。だが、生粋の推理小説マニアというわけではない。途中まで読んだら自分なりに犯人を推理して「先が読める展開だ」なんて一人ごちるようなことはしない。そんな自分の読書癖をよく表わすようなことがあった。
 最近流行の日常の不思議を推理するタイプ、殺人の起こらない小説を読んでいたのだが、中盤から展開が加速して興が乗ってきた。終盤近くに章仕立て自体にトリックがあったことがわかってなるほどと膝を打った後、お待ちかねの犯人との対峙シーンである。罠を仕掛けた暗がりに明かりがともされ素顔が明らかになる犯人。そこで主人公が名前を呼ぶのだが、一瞬それが誰だかわからなかった。
 実を言うと私は人の名前を覚えるのが不得手である。その人の行動や容姿なら記憶しているのだが、名前は何度聞いても覚えていないことが多い。その悪い癖が推理小説を読んでいるときにも出てしまったのだ。せめて主人公が「犯人はいつも変わったトレーナーを着ている山田だったのか!」とか叫んでくれればすぐにわかるのだが、それでは探偵役の腕の見せ所である大事なシーンが台無しである。
 結局、どうも私はミステリ小説の謎解きを楽しんでいるのではなかったらしい。謎が生まれる日常とはちょっと変わったシチュエーション、登場人物のロールプレイ自体を面白いと思っているのかもしれない。こんな楽しみ方でも小説は文句を言わないからありがたい。著者は頭を抱えるかもしれないが。
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by marshM | 2011-12-13 23:59 |
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