エネルギーの行方
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 カラリと晴れても日差しがさほど強くなく、日に焼けたビーチサンダルに苦もなく足を通せるような、さわやかな風が通る一日。蝉の声が徐々に少なくなり、ある瞬間にぱたりと聞こえなくなる。すると耳に届くのは花畑に群がるミツバチ達の羽音に似た鳴動。一時夏が生命に満ちあふれた感覚に包まれるのは、小さな命があちこちで飛び回る羽音が重なり合って一つの波動となり辺りを包み込むためなのだと思い、軽く感動を覚える。
 ところがさにあらず、よくよく聞いてみれば少し離れた県道や産業道路を走り回る車の音、遠く離れた鉄道の線路を走る列車の音が幾重にも重なっているのだとやがて気がつく。がなる様な蝉の鳴き声が静まり、夜を賑わすコオロギの音が静まり、やがて無音の銀世界に向かって季節は移ろい行く。
 人間が絶滅するにはきっとかなりの生態系も道連れとなるのだろう。そんな世界には一人残されたくないなどと夢想する夏の終わりの午後。



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by marshM | 2009-08-26 23:59 |
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