パイプの秘密
e0087225_0304158.jpg そもそもPesaroを滞在地の一つに選んだのは、お気に入りのパイプ作家とのメールのやりとりからだった。インターネットで選んだパイプの感想をカミさんに頼んでイタリア語訳してもらい、しばらくやり取りをした後ちょうどイタリア旅行を計画していたので工房を見学させてもらえないかと頼んだところ快諾してくれたのだった。
 そのパイプ、Le Nuvole の Maurizio Tombari が作り出すハンドメードの作品が気に入ったのは、そのシェープのユニークさが一番にあげられる。そもそもパイプというのは嗜好品であるタバコ葉をくゆらせるための道具に過ぎない。道具であるからにはよりおいしい状態で煙を口にまで届ける機能に優れている物が一番であり、その他をそぎ落とした機能美という物も存在する。しかし、私にとって道具とはそれ以上に楽しみとしての美しさも無ければならないと思っているのだ。嗜好品を扱う道具ならなおさらである。
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 パイプの歴史は古く、ヨーロッパで発祥した初期の物にはクラシックシェープと言った基本形の物が存在する。その後台頭したのがダニッシュ・ハンドメードと呼ばれるデンマークのパイプ作家達が自由な発想を元にして古きにとらわれず作ったパイプだ。そして、それに対抗するように盛り上がってきたのがイタリアのハンドメードパイプ。その中でもMaurizio の作るパイプはクラシカルな基本を踏襲しつつユニークなモチーフを加味して、美しく、時にはコミカルなパイプを形作っている。
 今回Pesaroを訪れ、Maurizio本人に会ってそのパイプの秘密の一端が理解できたような気がする。彼の住む場所はロッシーニの生家がある街の、その中でも一番古い1700年代に造られた建物が今なお残る一角だ。忘れてならないのはパイプのデザイン原案を担当する彼の妻Stefania。穏やかで優しく良く気が付く彼女あってのLe Nuvole なのだろう。彼らのライフスタイルはシンプルで洗練され、そして常に創造と共にある。
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 Pesaro滞在中はMaurizioとStefaniaに数人の友人を紹介してもらった。彼らもまた気の置けない仲間達で、週末になるとどこかしらで集まっているらしい。歴史と生活と交友、全てが彼らのパイプを形作る源となっているのだろう。その一部に触れる事ができ、少しの間でも仲間にはいる事ができたという事は、私にとって今回のイタリア旅行中一番の宝物だった。


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by marshM | 2009-05-03 23:59 |
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