Firenze雑感
 Firenzeは大きな街である。バスも電車も走っているのだが、それを利用するほどは大きくなく、まっすぐ縦断しようと思えばあっという間に歩けてしまう距離。ところがそこに落とし穴がある。見所もたくさんのFirenzeで一日にあちこち見て歩こうと思うと必ず足が棒になるのだ。
 例えばDuomo近くに宿を取った我々が午前中にPonte Vecchioの向こう岸を見て、午後にはSanta Maria Novella 教会を見ようと思うと、Firenzeと言う大きな円に内接する三角形の二辺を往復するぐらいの距離を歩かねばならない。もちろんその二点の先にもFirenzeは広がっているのでこれは我々が設定した目的を中心にした主観に他ならないのだが、実際歩いてみるとかなり疲れる。
 Duomoのクーポラに登るとそんなFirenzeの街を端から端まで一望にできる。目を引くのはArno川の対岸にあるピッティ宮とそれにつながるボーボリ公園の緑。その中に私の目をとめたのは大きな窓がぐるりと囲むドーム型の屋根の建物。手持ちのカメラでズームしてみると中はがらんどう。妙に気になるその建物を間近に見る機会は翌日訪れた。
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 ボーボリ公園の端の高台(これがまた遠い)に登るとメディチ家の作った要塞の高い塀が現れる。その塀に沿って丘を回り込むように歩くと件の建物は現れた。斜面を利用して半地下部分には泉が作ってあり、鉄を多用した19世紀を思わせる佇まい。カミさんに聞くと以前はカフェか本屋が入っていたらしいが、今は扉を閉ざして全く人の手が入れられている気配がない。背後の高い方から見ると半円形の屋根にいくつもつけられた窓から中をのぞき見られるのだが、窓を開け放って夏の午後にのんびりワインでも飲んだらとても気持ちよさそうな空間だった。
 ヴァザーリの回廊が広く一般開放されないのは美術館の予算不足だと話に聞くが、この建物も管理している部門の予算不足で放置されているのかもしれない。いつか再利用されるようになったら是非とも登ってみたい場所だ。なにしろ歩き疲れた足が主張するのだから間違いはない。


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by marshM | 2009-04-18 23:59 |
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